東川町国際写真フェスティバル Offcial blog

fotofes09.exblog.jp ブログトップ

鷹野隆大氏 展覧会「香港・深圳 1988」

赤レンガ公開ポートフォリオオーディション2012•2013で審査員をしていただきました鷹野隆大氏の展覧会がZEIT-FOTO SALONにて開催中です!!!

香港・深圳 1988

b0187229_18242688.png

















©Ryudai Takano


以下リンクより

25年前の夏、二十五歳だった僕は香港とryudai_takao(しんせん)を旅した。特段の思い入れがあったわけではない。魔窟と恐れられた九龍城(香港では九龍城砦)が間もなく取り壊されると知り、怖いもの見たさで訪れてみただけのことだった。19世紀末に一帯がイギリスに占領された後も中国が所有権を譲らなかったために無法地帯と化して生まれたのが九龍城だった。地元の人には申し訳ないが、それは僕にとっての香港のイメージそのものだった。

この旅で幸運だったのは、偶然知り合った香港人に日本語のできる人を紹介してもらえたことだった。その人のおかげで、九龍城に暮らす人と話ができたうえに、予定外のryudai_takaoへも行くことができた。香港に隣接するryudai_takaoは、トウ小平が進める改革開放の最初の実験地として経済特区に指定された町だった。指定後10年も経たないうちに大都市へと変貌していると聞き、一度訪れてみたいと思っていた。そのryudai_takaoでは単に街を見て歩くだけでなく、その人が関わっていた裁縫工場を見学することもできた。悲惨というほどではないものの、蚕棚(かいこだな)の貧しい寮で暮らす若い男女に接することができたのは印象深い出会いだった。

その他にも語りたいエピソードは色々ある。しかし写真とエピソードは本質的に別物である。さらに言うなら、撮影意図とも別物である。写真の豊かさとは、そういった撮影者の“物語”に関わりなく何かを語ってしまうところにある。誰もがわかっている話なのだが、実践しようとすると案外難しい。我々はつい“意図”や“思い”で画面を支配しようとしてしまう。人は目論見なしにシャッターを切ることはできないものだ。そのときのモチベーションとは詰まるところ“絵作り”への欲求であり、自意識の発露以外の何物でもない。しかしそれでも自分の“物語”を越えて行かねばならないとしたら、この禅問答のような循環から逃れる最良の方法は間をおくことである。時間がすべてを解決してくれるとはよく言ったものだ。

四半世紀の間をおいて写真を見返すとき、撮り手の“物語”が消えた後になお残るものが明瞭に浮かび上がってくるだろう。自分の写真でこのような体験ができるチャンスは滅多にない(再びやろうとしたら、また25年、写真を塩漬けにしておかねばならない)。その結果として得る感覚があるとすれば、それはおそらく未来から今を見据える眼差しではなかろうか。今回の展示では、写真が孕むこのような時間性について、なにがしかの実感をつかむことができればと願っている。

2013年9月
鷹野 隆大


****************************
会期:2013年11月21日(木) - 2013年12月21日(土)
時間:10:30~18:30、土-17:30
休廊:月曜日・日曜日・祝祭日
会場:ZEIT-FOTO SALON
   〒 104-0031 東京都 中央区 京橋1-10-5 松本ビル4F
リンク:http://www.zeit-foto.com/exhibition/index.html
[PR]
by higashikawa_blog | 2013-12-03 18:27 | その他お知らせ
line

Higashikawa photo Award


by higashikawa_blog
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31