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Antoine d'Agata氏 展覧会「抗体」


アツコバルー arts drinks talkにて、第20回海外作家賞受賞者 Antoine d'Agata氏の展覧会が開催中です。

抗体

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©Antoine d'Agata


以下リンクより


ざわざわした気持ちになってほしい

彼の写真を最初に見たとき、この尋常でない力はただの「うまくできた」、でも「かっこいい」、でもない。はらわたから出てきたものだ、と直感した。なぜこんなにきつい画像ばかりが、と疑問に思う。リストカットされた手首、ドラッグで痩せ衰えた娼婦、リビア内戦、死体、独房、見るに耐えないものばかり。しかしそれが彼の生きている現実だ。と知って驚いた。ゆえに惹きつけられるのか? 究極の疎外に生きる人々は独りで生き延びる策を日々学ばないといけない。それが暴力でも、薬でも、売春でも、とにかく生きるということはそういうことだ。誰の助けも絶対こない、闇に追いつめられた彼らの命が光る。ファインダーのこちら側には、彼らと共に生き、絶望するダガタがいる。時にはカメラを相手に渡し、彼が被写体になる。

おまえは私で私はおまえ。あの時私とおまえが確かにそこにいた。
彼にとって写真というのはそういうことだ。

彼自身、フレンチコネクションの時代のマルセイユで少年時代にドラッグにはまり、極左政治組織に入りテロリストとして活動した過去がある。彼もドラッグで何度も死にそうになった。その度にカメラが彼を世界に戻してくれた。写真は彼にとって作品でも商品でもない。地獄に垂らされた唯一の命綱である。それでも生きている自分の命の証明であり、繁栄の陰には阻害された人々がいる、という自明の理の報告である。彼の世界は確かに特異。世界でも日本の写真家にもないものだ。マグナムに所属しながら彼はマグナム的な写真の世界に疑問をぶつけている。その礫は私たちにも投げられている。ぜひ見に来てショックを受けてほしい。ざわざわした気持ちになってほしい。彼の写真を見た後、人は何もなかったかのように生きていくことはできない。

彼はカメラがなければ死ぬだろう。そんな、緊急の表現は、言わばカメラのアールブリュット。
私たちの平和に伸びきった横面を張り倒す。

夜19時半から、ダガタが撮影した日本人女性7人のポートレート「AKA ANA」を上映する。彼女たちの言葉は時に哲学的で深い。ここでしか見られないのでお見逃しなく。会期中、ダガタは日本に滞在してトークショーなどを行うので、ぜひ彼の言葉も聞いてほしい。

アツコバルーは3.11後の社会を生き抜くためにはアートが必要だ。と信じて2013年に開かれた。アントワーヌ・ダガタほどこの場所にあったアーチストはいない。と思う。彼は飾りもなく、前触れもなく、ただ濃密な生と死を掴みとって、ほれよ!と我々の顔に投げつける。これは冷たく君臨する社会秩序に対するテロ行為だ。
(2014年3月 アツコ・バルー)



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会期:2014年05月23日(金) - 2014年06月30日(月)
時間:14:00~21:00
   日月 11:00~18:00
休廊:火曜日
観覧料:¥500 19:00以降は¥1,500(いずれも1drink付)
会場:アツコバルー arts drinks talk
   〒 150-0046 東京都 渋谷区 松濤1-29-1 クロスロードビル5F
リンク:http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2014/0523.php
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by higashikawa_blog | 2014-06-14 11:57 | 受賞作家関連
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