東川町国際写真フェスティバル Offcial blog

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2017年 05月 04日 ( 4 )

露口啓二氏 写真集「自然史」



東川賞受賞作家 出版のお知らせ。

赤々舎より、露口啓二氏の写真集が出版されました。


自然史


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以下リンクより

非情の眼で切り取る風景写真
 
 最初、書評委員会の場に提示された本書を手にとり、何げなくパラパラと頁(ページ)を繰っていた。そのうち、不思議な感覚に襲われ始めたことに気づいた。老齢である自分の肉体の変化を、この風景写真が表象しているように感じたからである。
 肉体が生老病死のプロセスを歩むように、風景もまた人間の肉体同様の運命を辿(たど)る。一生を何度も繰り返しながら生死を流転していく仏教思想を垣間見て、言葉にならないある種の寂寥(せきりょう)感のようなものを感じた。それはきっと老いていく自分の肉体への愛執と惜別が入り交じった、たとえようのない終末意識だったかも知れない。と思って見ると、これらの風景があの世の景色に変容し始めた。
 この風景写真は一体、僕に何を語りかけようとしているのか、と疑問と好奇心が泡のようにブクブクと湧き出したので、とりあえず家でじっくり眺めましょう、と思って持ち帰った。
 冒頭の河原とも沼ともつかない水の風景の寂しさは、何かの惨状の跡にも見えるが、著者の言葉を借りれば、かつてのアイヌ民族の生活の場がダム建設によって水没した残像であることを知った。僕には、この世に忘れ去られたあの世の風景に思え、アイヌの他界観と結びついた。
 『自然史』は、北のアイヌの森と水から始まって東日本大震災の記憶を経て、著者の古里である南の徳島の湿った深い森と浅く乾いた川の写真に辿りつく。北の賽(さい)の河原から出発して、未曽有の災禍の地を経て写真家の生地へと。その旅の途で、自然と人間を分断したあの原発事故の痕跡、森と水の国土の鎮魂の記憶に触れながら、僕は「草木国土悉皆(しっかい)成仏」の思想に到達した。
 「草木国土悉皆成仏」という言葉を知ったのは梅原猛氏の著書『人類哲学序説』の「森の思想」だった。『自然史』の語る風景写真のビジョンは「草木国土悉皆成仏」そのもので日本人の自然観につながる問題提起として、または文明論として見ることもできなくはない。
 自然を写すとつい情緒的になるものだが、この写真家は「今」の風景を見たまま、感じたままに非情の眼(め)で切り取る。
 「草木国土悉皆成仏」とは草も木も山も川もことごとく仏になれるという仏教思想で自然は人間と同じく、生死の輪廻(りんね)を繰り返しながら、いつかは輪廻の鎖を断ち切って不退の土(ど)に辿りつく。
 最後に僕の好きな写真、寝起きの頭髪みたいに髪がもつれあって、ジャクソン・ポロックのオールオーヴァー・ペインティングのようにみえる、焦点の定まらない無数の草がからみあった風景である。
    ◇
 つゆぐち・けいじ 50年生まれ。写真家。2010年に本書を構想、撮影を開始。14年から福島の撮影を始め、同年、写真展「自然史——北海道・福島・徳島」を札幌で開催。著作に『露口啓二写真集』。


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  • 大型本: 128ページ
  • 出版社: 赤々舎
  • 価格: ¥5,400
  • ISBN-10: 4865410600
  • ISBN-13: 978-4865410600



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by higashikawa_blog | 2017-05-04 16:51 | 受賞作家関連

立木義浩氏 展覧会「現代写真の4つの源流展―その珠玉の12枚―」


写真甲子園 審査員の立木義浩氏展の展覧会が開催中です。


現代写真の4つの源流展―その珠玉の12枚―

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以下リンクより

この展覧会の4人写真家は、それぞれのジャンルで、芸術におもねったりしないで、自信と誇りを持って、「写真は、写真である」という立場を離れない。
最近のハリウッド映画、米国製のTVドラマにでてくる家の壁には、ポップ調絵画ではなく、ほとんどが古いモノクロ写真が飾られている。
 早く、日本の壁にも、銀塩プリントのモノクロ写真という時代になって欲しい。その最初の1枚目は、本能的に永遠というものを表現できるのは写真だけだ、と知っている立木義浩、桑原史成、ムトー清次、与田弘志の歴史的傑作作品にちがいない。
30年前、40年前、50年前に発表された、この4人の作品を見ていなくても、現在、写真を撮る人、スマートフォンを手にする人々は、4人の感覚を追いかけることになる。写真共有アプリ、インスタグラムを見れば一目瞭然だ。 そこが”写真力”の不思議なところだ。それは写真機が出現した時から、写真は、霊的な伝染性を持ち、現代も日々、そのチカラ=影響力を拡大し続けて、”現代人間社会の最大の推進力”となっていることをあきらかにしている。
 それは人類には、すこしでも永遠に近づきたいという欲望が、常にひそんでいるから・・・・・。
写真プロデューサー  椎根 和


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会期:2017年5月2日(火)〜 5月27日(日)
   (日・月曜日休館)
時間:12:00〜18:00
入場無料





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by higashikawa_blog | 2017-05-04 16:46 | その他お知らせ

展覧会「写真家が見つめた沖縄」



歴代フォトふれ 石川竜一さんがディレクションを手がける展覧会「写真家が見つめた沖縄」に下記受賞作家が出展しております。
石内都氏、石川直樹氏、楢橋朝子氏、野村恵子氏、萩原義弘氏、山田實氏、初沢亜利氏。
フォトふれからは、石川竜一さんが出品しています。



写真家が見つめた沖縄

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以下リンクより

戦後、経済の発展と沖縄の観光地化との関係によって、沖縄を捉える写真のイメージは強く固定され続けてきた。海や自然といった観光的イメージから、文化を示すような古い町並みや島々、老人たちのイメージ、それらの対局にある現代のイメージとしての基地や社会問題のイメージまで、社会を中心としたイメージは、社会的価値を持っているが故に消費されやすく、それが沖縄のイメージとなっていった。

しかし世界的にもそうであるように、写真の立場は、社会のなかの個人という立場から、個人から考える社会という立場に時代とともに変化してきた。もともとは、自然のイメージをとっても、島々や老人のイメージをとっても、社会問題のイメージをとっても、それぞれの時代の、それぞれの人々にとっての必然性から生まれたものであり、社会的な消費に耐えられるものは個人の存在の強さでもある。

復帰後、沖縄においても、これまでに見られた社会的立場を中心とした写真に加えて、より個人的な表現としての写真活動が活性化してきた。その結果、写真表現は方法や形式の呪縛から解放され、それぞれが互いにより深い意味を持つものとして存在することができている。写真はもっと自由になれるし、その方がより大切なものが見えてくると信じたい。



出展作家

コレクションギャラリー1

石内都
石川直樹
石川真生
伊志嶺隆
大城弘明
白岡順
染谷學
平良孝七
津野力男
東松照明
楢橋朝子

野村恵子
萩原義弘
比嘉康雄
比嘉良治
平敷兼七
蒔田恵理
水島源晃
港千尋
森山大道
山田實
勇崎哲史



県民ギャラリー1・2・3

新垣一也
石川竜一
伊波一志
伊波リンダ
氏家聡
亀山亮
タイラジュン

豊里友行
中川大祐
長崎健一
七海愛
初沢亜利
松本太郎
宮里秀和



*****************************
2017年4月25日(火)~5月21日(日)
午前9:00~午後6:00(入場は午後5:30まで)
金・土曜日は午前9:00~午後8:00(入場は午後7:30まで)
休館日:5月1日(月)/8日(月)

沖縄県立博物館・美術館 コレクションギャラリー1・県民ギャラリー
 〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号





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by higashikawa_blog | 2017-05-04 16:42 | 受賞作家関連

杉本博司氏 展示「Sensible Garden 感覚の庭」


東川賞受賞作家 展示のお知らせ。

銀座 蔦屋書店にて、杉本博司氏の作品が展示されております。


Sensible Garden 感覚の庭
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以下リンクより

銀座 蔦屋書店の開業にあたり、3人のアーティストがそれぞれの作品を展示いたします。

このたびのOpening Programでは、「Sensible Garden 感覚の庭」と題し、GINZA SIX内「LOUNGE SIX」のインテリアデザインを手がけられている杉本博司氏、銀座 蔦屋書店内に作品を展示する名和晃平氏、そしてオープニングパーティのディレクションに関わる蜷川実花氏ら、GINZA SIXにゆかりのある3人が銀座 蔦屋書店 EVENT SPACEに作品を展示いたします。

文化や芸術を愛する大人が集う場を目指す、銀座 蔦屋書店 EVENT SPACEの最初の展示をお楽しみください。

【参加条件】
どなたでも無料でご入場いただけます。

【プロフィール】
杉本 博司 (すぎもと ひろし)
現代美術作家。
1948年東京生まれ。1970年に渡米、1974年よりニューヨーク在住。
徹底的にコンセプトを練り上げ、8x10インチの大型カメラで撮影する手法を確立。
精緻な技術によって表現される作品は世界各地の美術館に収蔵。
2017年10月には、マリアン・グッドマン・ギャラリー、ロンドンにて26日より「劇場」「オペラハウス」「廃墟劇場」シリーズを網羅する個展、27日より同ギャラリー、パリにて「海景」シリーズの新作を発表する個展を同時開催予定。
2009年高松宮殿下記念世界文化賞、2010年紫綬褒章、2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ等受賞・受章多数。

名和 晃平 (なわ こうへい)
1975年生まれ。彫刻家、京都造形芸術大学教授。
2009年、京都に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げる。
2011年、東京都現代美術館で個展「名和晃平 - シンセシス」を開催。
独自の「PixCell」という概念を軸に、ビーズ、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど様々な素材とテクノロジーを駆使し、彫刻の新たな可能性を拡げている。
近年は建築、舞台のプロジェクトにも取り組み、空間とアートを同時に生み出すことに挑戦している。

蜷川 実花 (にながわ みか)
写真家、映画監督。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。
映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)監督。映像作品も多く手がける。
2008年、「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回。
2010年、Rizzoli N.Y.から写真集を出版、世界各国で話題に。
2016年、台湾の現代美術館(MOCA Taipei)にて大規模な個展を開催し、同館の動員記録を大きく更新した。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事就任。


***************************
2017年04月20日(木) - 2017年05月31日(水)
9:00~23:30(営業時間) ※4月20日~23日は10:30~
銀座 蔦屋書店 EVENT SPACE
 
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F





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by higashikawa_blog | 2017-05-04 16:32 | 受賞作家関連
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Higashikawa photo Award


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