フォトふれ卒業生★インタビュー
25年間続く東川町フォトフェスティバルですが、はじめの数回は有志の方々が受賞作家展をサポートしていたとのこと。
その後、「フォトふれ」が始まってから、毎年15人のボランティアスタッフが受賞作家展の会場制作の重要な役割を果たしています。
毎年15人、総数にすると300人前後の卒業生がいるのです。
このブログの開設も含め、審査会のお手伝い、プレス、受賞作家展の実際的な準備など、東京で動いているスタッフ3人のうち、2人もフォトふれ卒業生。
過去のフォトふれの中には、写真家、ギャラリスト、ディレクター、カメラマン、美術館学芸員、今年から写真ラボをオープンした人、写真講師、と今でも写真に携わって活躍している方々がたくさんいます。いつか、フォトふれ卒業生の中から受賞作家がでるかも???しれませんね。
今回は2006年に参加した山田泰三君にインタビューしました。
(T)

Q1:山田さんは何年にフォトふれに参加しましたか?
★自分が大学4年のときだったので、2006年です。
Q2:当時はまだ大学生だったのですね。どちらの学校ですか?
★滋賀県にある成安造形大学(*1)の写真クラスでした。いいところです。キャンパスからは琵琶湖が見えます。
Q3:応募のきっかけは?
★2005年に、大学の同級生が参加していて勧めてくれたからです。ありがとう。それがなければ知らないままでした。
Q4:泰三君のときはケタキ・シェス、鈴木理策さん、綿谷修さん、安楽寺えみさんが受賞しましたね。あの年は確か、理策さんが展示立ち会いでご自分からライティングの手直しをされたり、夜に時間がある時には、ケタキさんに講評会の時間を設けてもらったりと、作家と一緒の時間が多かったですね。
実際に「写真家」と一緒に作業をした感想、また、受賞作家と触れ合うことで得たことなど教えてください。
★著名な写真家の方と話をする機会は学校でも何回かあったのですが、東川では、一緒に作業をしたり、飲んだり、共有する時間が多かったので、それよりももう一歩踏み込んでお話しできました。そして、作品の展示作業を自分たちがすることで、完成された展覧会を見に行くだけでは得られない感動と発見がありました。

綿谷さんが別れ際に「本当にありがとう、ありがとう」と言ってくださったのを今でも覚えています。
ペーペーの学生だけど、そんなふうに言ってもらえるような仕事をしたんだな、って思いました。
受賞作家さん達に限らず、人から感謝してもらえるって、嬉しいですね。
東川町の皆さんもとても歓迎してくましたし。
オーバーに言えば、こんな自分でも誰かの役に立てるんだなって。それも、興味のある写真を通してのことだからなおさらでした。
Q5:実際の作業の中でどんなことが勉強になりましたか?
★一枚の写真を作品として展示するまでの具体的な作業。写真やってる人はいつかは写真展をやったりすると思うんですが、その展示作業段階を一から学べるので、本当に勉強になりました。

Q6:辛かったことは?
★ホームシック。
Q7:町の印象。合宿生活、ホームステイなどの思い出を教えてください。
★マ・メゾン(*2)ではフォトふれメンバーで毎晩、一室に集まって語り合ったのが楽しかったです。ひとつのことに皆で力を合わせることでの絆はすごいです。
みんないろんな県から集まっているので、新鮮でした。
東川町の方達も、温かい方ばかりで、ホームステイでは、手作り露天風呂に入れてもらいました。
あと、食べ物が何でもおいしかったです。差し入れでもらったトマトや、手作りパン。かに、夕張メロン、蝦夷鹿チャーハンなどなど。

気候は夏なのに涼しくて、夜は寒いくらいでした。長袖がいりますね。
Q8:現在はどんなことをしているんですか?
★今は地元の島根県で地域密着型写真館のカメラマンとして働いています。近作は、緑。森のモコモコした感じが気になって撮っています。

(c)taizo yamada

(c)taizo yamada

(c)taizo yamada
Q10:当時のメンバーへのメッセージや、町の方へのメッセージなどお願いします。
★フォトふれメンバーへ、同窓会しよう!
★東川の皆さんへ、3年近く経っていますが、改めてお世話になりました!とても楽しかったです。ホームステイさせていただいた石澤さん、お元気ですか?あのお風呂にまた浸かりたいです。大ちゃんにもよろしく。覚えているかなぁ?
東川町へのちょっと変わった行き方:関西~東川
泰三君は、関西から東川町にくるのに、行きは大阪国際空港から旭川空港まで飛行機で。
7月生まれということで、誕生日割引でかなり安かったそうです。誕生日割引は一緒に来た大学の同級生も使えたとのことで、お得です。
帰りはフェリーで一泊して舞鶴まで。イルカが見えました。夜に北海道から船乗って、船内で寝て、起きて、舞鶴ついて、電車で家に着く頃には夜、という具合だそう。
フェリーは飛行機よりもはるかに安いので、金はないけど時間はある、という人にはお勧めします、と泰三君。
地元に戻って写真館で働きながら作品を創っています。
いつか、東川でも展示してくれるといいですね。待っています!!
(*1)成安造形大学では、昨年の新人賞受賞作家の澤田知子さんが教えていらっしゃいました。毎年何人か、フォトふれに応募してくれます。
(*2)フォトふれスタッフと制作スタッフは、東川町文化ギャラリーから自転車で10分弱のマ・メゾンという宿泊施設で10日間の合宿生活をしています。ギャラリーへは自転車通勤です。