天野祐子さん 展覧会「海辺」
フォトふれ 展覧会のお知らせ。
Midori.so2ギャラリーにて、天野祐子さんの展覧会が開催されます。
海辺
以下リンクより
写真作品をもっと身近に楽しみたい!そんな思いから、写真を味わうための新たな場を始動させます。
会場は、表参道交差点からすぐの、Midori.so2ギャラリー。“屋台村”として昼夜を問わず多くの人が飲食を楽しめるCommune246の敷地内にあります。
「わざわざ訪れるには敷居が高くて……」。アートギャラリーに対してそう感じる向きも多いでしょうが、ここならそうした心配は、なし。一杯ビールを飲みに行く流れで、ごく気軽に作品展示を観られるのです。
第一弾となる7月の展示は、天野祐子が新作《海辺》を発表。静謐なのに、対峙していると画面内に生命の蠢きを感じる、不思議な作品群です。
展示作品はもちろん販売もしております。お気に入りの写真を見つけたら、ぜひ自分の手元に置いて日々眺めることも検討してみては。
あらゆる場所は、海辺だとおもう
展示した作品は《海辺》と題していますけれど、波打ち際のような文字通りの海辺は写っていません。
環境問題を提起した「沈黙の春」で知られ、本来海洋生物学者だったレイチェル・カーソンの著書『海辺一生命のふるさと』から想を得たものです。すべての生命は海から生じたのですし、あらゆる場所はかつで海だった。いまの陸地は、後に推移が変わったり大地が隆起したりしてできただけですよね。
「地球上のあるゆる場所、ものはすべて海から生まれた」のだといえます。ならば、地球上の何を撮っても海辺の写真だと、私には感じられるんです。それでこのところ、海辺をテーマに作品を撮り継いています。
もともと、写真を撮るときにいつも考えていたのは、いま私の眼に映っていること以外のすべても、なんとか写せないものかということ。たとえば、ひとつの山にカメラを向けたとする。その山がかつてどんな姿だったのか。これから先、どう変化するのか。フレームに収まらないけれど山はその先にも連なっている、その向こうはどうなっているのか。山は途切れたところにはおそらく人が住んでいるだろう、どんな暮らしがあって、だれとだれがつながっているのか……。そういうことをすべて、写真のなかに入れ込めないかなと。
いま、ここにあるものを撮った写真から、過去や未来や、ほかの場所のことまで感じ取れたら。それができれば、その写真は何百年後かの「未来への資料」にもなり得るんじゃないか。私が抱いていた写真に対するそんな考えに、レイチェル・カーソンの海辺の捉え方が合致したんですね。実際の作品を観ていただいて、そういうことを少しでも感じてもらえたら何よりです。
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会期:2015年 7月24日(金) 〜 8月2日(日)
時間:11:00 〜 20:00
会場:Midori.so2ギャラリー
東京都港区南青山3丁目13(COMMUNE 246内)
リンク:http://provoke.cork.mu/
http://midori.so/post/781/