第32回東川賞受賞作家展
第32回東川賞受賞作家展
今年で32回目を迎える東川賞。受賞作家5人が東川町文化ギャラリーの空間にあわせ、新たな構成で作品を展示します。
今年の海外作家賞対象国は南米コロンビアです。オスカー・ムニョス(海外作家賞)はコロンビアを代表する現代美術作家として国内外で高く評価されています。ゲリラ抗争などによる多数の死を日常のものとして受け入れざるをえなかった1980年代、90年代のコロンビア。そうした体験に根差した、永続することのない時間、記憶への詩的な反省をうながす作品を制作しています。
広川泰士(国内作家賞)の「 BABEL-ORDINARY LANDSCAPES-」シリーズは、建設中の高速ビルやビルの破壊現場、砂利採取のための掘削される山、災害現場などをとらえたものです。欲望に突き動かされ、自然を変容させていく人為と、それには無関心で遠大な時を刻む自然のあり方を対比的にとらえる視 点から生み出される作品群は、優れた文明批評になっています。
池田葉子(新人作家賞)は日常に何気なく存在する風景を切り取りながら、現実を平面に置き換えることによって生まれる写真ならではの世界を、独自の視点、構成によって作品化する試みを一貫して続けています。自然と人工が織りなす様々なバリエーションをもった造形が、ウィットとユーモアに満ちたまなざしのもとに提示されます。
マイケル・ケンナ(特別作家賞)は、「ケンナの木」と呼ばれつつも伐採されてしまった屈斜路湖畔の木をはじめ、2002年から北海道の各地を毎年のように訪れて撮影を続けています。雄大な自然だけでなく、人工物や名もなき樹々など、対象との静かな対話のなかで生み出された作品は、豊かな詩情をたたえています。
池本喜巳(飛彈野数右衛門賞)は山陰の風土をテーマに写真を撮り続けています。1970年代から撮影をはじめた「そでふれあうも」シリーズ は 、人々の内面に残存する山陰の風土と記憶のスナップショットです。「近世店屋考」シリーズでは、高度経済成長のなか次々と姿を消していった金物屋、駄菓子屋など約60業種10軒以上の店を撮り続けています。
海外作家賞:オスカー・ムニョス
国内作家賞:広川泰士
新人作家賞:池田葉子
特別作家賞:マイケル・ケンナ
飛彈野数右衛門賞:池本喜巳
インディペンデンス展
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会期:2016年7月30日(土)~8月31日(水)
時間:10:00~17:30 会期中無休
料金:町内100 円、町外200 円
会場:北海道<写真の町>東川町文化ギャラリー
〒071-1423 北海道上川郡東川町東町1丁目19番8号
ホームページ:http://photo-town.jp/index.html
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