畠山直哉氏 展覧会「まっぷたつの風景」
東川賞受賞作家 展覧会のお知らせ。
せんだいメディアテークにて、畠山直哉氏の展覧会が開催中です。
まっぷたつの風景
以下リンクより
写真家・畠山直哉は、1980年代から石灰石鉱山や工場、都市のビル群や地下空間などのシリーズを発表し続けてきました。そこには、私たちが普段は見ることのできない場所の、壮大でときには畏怖を感じさせるような光景が写し出されています。また、2011年の震災以降、故郷の陸前高田を撮影し続ける姿勢には、大きな変化を強いられた東北地方やこの国が共有できる課題が多く潜んでいます。
畠山は「もの」あるいは「事象」に目を凝らします。それが人為的なものであれ自然の営為であれ、起源を問い直すかのように静かに見つめ、作品として結晶化し、わたしたちの社会、文明、そして生に対する開かれた「問い」として投げかけてきました。本展では、その問いかけにこそ着目したいと思います。
本展タイトル「まっぷたつの風景」は、イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』から採られました。畠山自身も愛するこの寓話は、物事にすぐ白黒をつけようとしたがる私たちに、注意を促します。たとえば、私たちは誰でも善悪や美醜など二つの面を持っているのに、他人に対してはその一方だけしか見ようとしないところがあります。物事を無理矢理まっぷたつに分けてしまえば、物事は成り立たなくなってしまうのにです。本展では、これと同じことが「風景に対しても言える」という仮説のもとに展示を構成します。
「風景は、ただそこにあったものではなく、人間が歌を詠んだり絵にしたり写真を撮ったりするたびに、新しく生まれている」と畠山は主張します。人の表現に応じて「風景」は生まれ、美しさや残酷さ、不思議さや不条理さといったものとして、その都度新しい姿を現すというのです。震災以降、変貌する故郷を撮影し続けてきた畠山の「風景」には、過去からの大きな断絶が見て取れますが、同時にそこに、「風景」の持つ二面性や両義性、未来の「風景」への気配を感じ取ることができるかもしれません。
初期から現在まで約200点の作品群と対話の場を通じて、畠山直哉という一人の写真家が取り組む「風景」が、現在の私たちの社会にとって、どのような意味を持つのかを考える機会となればと思います。
<イベント>
いがらしみきお(漫画家)×畠山直哉「人工天国ー現在の風景に何をみるのか?ー」
出演:いがらしみきお(漫画家)、畠山直哉
進行協力:クマガイコウキ
板書:瀬尾夏美
日時:11月23日(水祝)13時から15時
場所:6階ギャラリー4200
定員:先着60席
要約筆記つき
※展覧会チケットの半券の提示でご参加いただけます。 申込不要、直接会場へ。
志賀理江子(写真家)×畠山直哉「暗夜光路ー写真は何をするのか?ー」
出演:志賀理江子(写真家)、畠山直哉
板書:瀬尾夏美
日時:12月24日(土)13時から15時
場所:6階ギャラリー4200
定員:先着60席
※展覧会チケットの半券の提示でご参加いただけます。 申込不要、直接会場へ。
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会期:2016年11月3日(木・祝)から2017年1月8日(日)
開場時間:11時から20時
会場:せんだいメディアテーク 6f ギャラリー4200
〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1
入場料:一般500円(大学生・専門学校生含む)、高校生以下無料
(豊齢カード、障害者手帳をお持ちの方は半額)
休館日:11月24日および12月29日から1月3日
リンク:http://www.smt.jp/projects/cloven_landscape/
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