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東川町国際写真フェスティバル Offcial blog

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荒木経惟氏 展覧会「写狂老人A」


東川賞受賞作家 展覧会のお知らせ。

東京オペラシティ アートギャラリーにて、荒木経惟氏の展覧会が開催されます。


写狂老人A

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以下リンクより


荒木経惟は、1960年代から今日まで第一線で活躍を続け、日本を代表する写真家の一人として世界的に高い評価を得ています。
本展は、今年77歳を迎え、一層活発な活動を続ける荒木が本展に向けて制作した1000点を超える新作を中心に、荒木の制作の原点とも言える1960年代のスクラップブックなどもまじえながら、その多面的な活動を紹介します。
「写狂老人A」のタイトルは、老境に入り一層精力的に制作を続けた江戸時代の絵師・葛飾北斎が70代半ばで「画狂老人卍」と号したことになぞらえ、荒木自身を表しています。荒木の制作活動からは、北斎と同様の、生涯を通じてあくなき探究を続け、道を究めようとする者に共通する人並みはずれたエネルギーが、時代やジャンルの違いを超えて伝わってきます。2017年現在、既に500冊を超える写真集を上梓している荒木は、そのテーマや手法が多岐にわたることでも知られますが、近年、自らの「死」に直面するような数々の体験を経て、「生」を見つめる眼差しは鋭さと深みを増し、長年の重要なテーマである「生と死」がより鮮明に表現されています。荒木経惟の「現在」をいきいきと伝え、その活動の核心に迫ります。



展覧会について
最新作を中心に、初期作品や進行中のプロジェクトなどもまじえ、「大光画」、「空百景」、「花百景」、「写狂老人A日記 2017.7.7」、「八百屋のおじさん」、「ポラノグラフィー」、「非日記」、「遊園の女」、「切実」の9つのセクションで紹介します。


1. 大光画 新作

さまざまな年代の人妻たちを捉えた最新シリーズ。荒木を信頼し「性」を超越して「生」を謳歌する女性たちに、荒木のカメラが無限大のエールをもって応えます。その力強い生命力を、巨大な絵巻物のような展示で際立たせます。荒木は、この最新シリーズこそが「いま自分が考えている『写真』にもっとも近い」と語っています。それは画一的な美の基準やグラビア写真に対するアンチテーゼでもあります。



2. 空百景 新作

荒木の自宅のバルコニーから日々の「空」を捉えたモノクロームプリント100点のシリーズ。タイトルは、葛飾北斎の『富嶽百景』にちなみます。空は、荒木自身もっとも「手強い」と語るモチーフで、すぎゆく雲や大気の状態、光や影をあたかも物(ブツ)として捉えるかのような作品は、此岸と彼岸(この世とあの世)に対する荒木の眼差しを感じさせます。



3. 花百景 新作

江戸時代の絵師、伊藤若冲の《百花図》に触発されたこのシリーズは、咲き誇り、枯れてゆく花を捉えたモノクロームプリント100点からなります。繊細で重層的なグラデーションは、まさにモノクロームの豊かな表現によるものです。従来の作品に見られた人形などの小道具を排して花だけを捉えており、荒木のより純化された眼差しが感じられます。



4. 写狂老人A日記 2017.7.7 新作

荒木のライフワークである「日記」シリーズの最新作。700点近い作品は日付表示がすべて今年の7月7日に操作されています。7月7日は亡き妻、陽子との結婚記念日です。日常を淡々と、恣意的な要素を排して捉えており、撮影した順序そのままに展示されます。人生を彩る「時間」の流れと、なにげない日常のなかにかいま見える生と死のテーマが、鮮やかに浮かび上がります。



5. 八百屋のおじさん 初期作品(制作から半世紀振り初公開)

現在にいたる荒木の原点として重要な初期のスクラップブック〈八百屋のおじさん〉第1巻。電通勤務時代(1963-72)の荒木が、銀座で行商する青果商を昼休みに足繁く通って撮り続けたものです。人々の日常が映画の手法を思わせる人情味溢れるタッチで活写されています。プロジェクターによるスライドショーなども加えてその魅力を十分に伝えます。



6. ポラノグラフィー 継続中のプロジェクトより

荒木が2002年から継続的に行っているポラロイド作品の展覧会とその出品作のアーカイヴ映像を紹介します。ポラロイドの特性を生かして日々の出来事や時間を捉える荒木のカメラワークが冴えわたります。ポラ(ロイド)の「グラフィー=記述、記録」を意味すると同時に、ポルノグラフィーも思わせる荒木独特の言葉遊びによるタイトルも秀逸です。



7. 非日記 継続中のプロジェクトより

2014年のカルティエ現代美術財団でのプロジェクトに端を発し、その後会員制ウェブサイトで継続されてきたデジタルカメラによるシリーズからの抜粋で、本展ではプロジェクターによるスライドショーとして紹介します。「日記でありながら日記に非ず」を意味するタイトルは、デジタルは「写真のようで写真に非ず」という意にも通じ、荒木のデジタルに対する逆説的で突き放したアプローチが注目されます。



8. 遊園の女 新作

浮世絵の世界から現れたかのような着物姿の女性のモチーフは、特に海外では日本的でエキゾチックなイメージとしてアラーキーの代名詞ともなっています。その最新作である本作では、プロのモデルではない一般の既婚女性をモデルに撮影しています。遊郭から足抜けしようとする遊女を女衒(ぜげん)となった荒木が捕らえるといった趣向ですが、本当に捕らえられているのは誰なのでしょうか──。



9. 切実 新作

荒木はごく初期より、自作にハサミをいれたりコラージュしたりする試みを行っています。〈切実〉はそうした先鋭的な作品の最新バージョンで、プリントした無数の写真をハサミで切断し、組み合わせを変えてコラージュしています。荒木にとってハサミで切ることも、コラージュすることも、カメラのシャッターを押すことと同じ感覚だといいます。またタイトルは、「写真は真実」という観念を逆手にとって、写真=真実を切るから切実である、という意味と、同時に写真は「切ない真実」でもあるという、さまざまな意味を含んでいます。



*****************************

2017年7月8日[土]─ 9月3日[日]

11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月6日[日・全館休館日]
入場料:一般1,200円(1,000円)、大学・高校生800円(600円)、中学生以下無料
 
  • *同時開催「収蔵品展059 静かなひとびと」、「project N 68 森 洋史」の入場料を含みます。
  • *収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
  • *( )内は15名以上の団体料金
  • *障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
  • *Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
  • *割引の併用および払い戻しはできません。

  • 東京オペラシティ アートギャラリー

     〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2




    by higashikawa_blog | 2017-07-06 18:29 | 受賞作家関連
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