中之条ビエンナーレ2017
フォトふれ ビエンナーレ参加のお知らせ。
中之条ビエンナーレ2017に、鈴木のぞみさんと永井文仁さんが参加しております。
中之条ビエンナーレ2017
地域とアート<共存するということ>
中之条ビエンナーレは2007年の開催より、海外作家も含めた多くの参加作家と地域住民との交流を続けてきました。伝統行事への参加や食文化での交流など、地域に積極的に関わってきた作家も多く、家族のような繋がりが続いているという話をよく耳にします。何よりも地域がそれを受け入れ、楽しんでいるということを大変嬉しく思います。
中之条町に移住した作家の中には外国人作家も含まれ、山村に暮らす人々にとって異文化に触れる機会が少しずつ増えています。また、そういった交流は、自身の地域特有の文化など他者からの目線でないと気づき得ないことを私達に教えてくれます。このように、芸術文化国際交流は、自身の文化を知るための重要な役割となっています。
2013年にヴェネツィアビエンナーレと同時開催されたパビリオンゼロでは、中之条町の芸術への取り組みを映像で紹介する場をいただいたほか、中之条町出身アーティスト(現在ロンドン在住)のmasumi.w.saitoによる、伝統芸能である獅子舞をテーマにしたパフォーマンスが行われました。私自身が、この経験により中之条町の文化の魅力を再認識し、この文化をさらに多くの人たちに伝え守っていく必要性を感じました。
毎回、中之条ビエンナーレのオープニングでは、地元の人たちがアーティストと共演する舞台が作られます。主にステージでパフォーマンスを行うのは地元の子供たちであり、そして音楽は伝統芸能の楽団という地域文化を支えている人たちが担当します。ジャズと雅楽、コンテンポラリーダンスと神楽など異なるジャンルとのコラボレーションを、参加者は観客以上に楽しみながら一団となって舞台をつくっています。このように地元の人たちが国内外で活躍するアーティストと共演することで、新しい芸術をつくりだしながら伝統文化を繋いでいくという、とても面白い取り組みになっています。
2014年には、中之条町と同じく「最も美しい村連盟」 に加盟する北イタリアの小さな町アーゾロを訪れ、美術祭と映画祭といった芸術文化発信への取り組みや、美しい自然に寄り添った山村の暮らしを視察してきました。都会のような利便性はないものの、その美しい風景の中に続く暮らしは、群馬の山村文化と重なるものがありました。
近年は、個性を失いつつある都市に代わって、地方から文化を発信するという流れが大きくなり、個性的な地方には沢山の観光客が集まっています。自然や温泉といった観光スポットだけではなく、もっと人々の暮らしに根付いている祭りや習慣などの見えづらい部分にも焦点を当て、この土地で脈々と受け継がれた美しい文化を伝えていきたいと思います。
この芸術文化国際交流によって、地域が自信に満ち中之条独自の文化が後世に繋がっていくことを願います。
鈴木のぞみ
1983年埼玉県生まれ。埼玉県在住。東京造形大学で絵画を学んだ後独学で写真表現を学び、2015年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。現在同大学院博士後期課程に在籍中。何気ない日常に潜む光の痕跡や事物の記憶を写真を用いて可視化する作品を制作する。近年は国内外のレジデンスプログラムなどに参加し活動の幅を広げている。主な受賞に、現代美術の展望 VOCA展2016 VOCA奨励賞、アートアワードトーキョー丸の内2015 フランス大使館賞、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD2015#5 後藤繁雄賞、群馬青年ビエンナーレ2015 ガトーフェスタ ハラダ賞などがある。
会場:沢渡別邸
永井 文仁
ある事象があったからこそ存在する事実性と、あたかもあったかのように思わせる偽証性。二つの対極的な性質を同時に内包する写真の持つ力に着目している。
物質として切り取られた空間はそれを隔てるフレームの中に存在し、
人は無条件に見えている事実とその先にあるものの両方について考え、想像し思いを馳せる。「写真」という常識から様々な事を読み解ける。
鑑賞者の思考を揺さぶることが出来る写真表現によって制作を続けている。
会場:イサマムラ(旧伊参小学校)・温泉口の家
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- 展示会場
- 群馬県中之条町 町内各所
- 展示期間
- 2017年9月9日(土)-10月9日(月・祝)の31日間 無休
- イベント内容
- 温泉街や木造校舎など町内各所で絵画、彫刻、写真、インスタレーション等の展示、ほかワークショップやパフォーマンスを開催