クロダミサトさん 展覧会「美しく嫉妬する」
ギャルリ・ド・リヴィエールにて、クロダミサトさんの展覧会が開催されます。
作品は2013年から制作している「美しく嫉妬する」を中心に、2010年に発表された「沙和子」や、2015年に発表した「Melt the ice cream」など近年の作品を発表致します。
大学が関西なので、自分の青春時代を過ごした地で展示が出来ることがとても嬉しいです。
30代半ばとなった自身の身体の変化や環境の変化を記録したいと考え、自分自身を投影する形で同世代女性の撮影を続けている。
今回の写真展では、2013年から制作している「美しく嫉妬する」を中心に、2010年に発表された「沙和子」や2015年に発表した「Melt the ice cream」など近年の作品を発表する。
展示をして頂くきっかけは、2017年12月に発生したクロダミサト氏宅の火事によって汚れてしまったネガの洗浄先を探されていた際に、リヴィエールから声をかけさせていただいたことだった。
メールで、ネガ洗浄と写真集の買取を申し出て、その流れでいつか展示をしていただきたいと声をかけさせていただいた。リヴィエールにクロダミサト氏宛のサイン入り写真集が多数あるのは、その際に譲り受けたものであり、リヴィエールの宝物である。
クロダミサト氏のネガを洗浄するということは、リヴィエールにとって責任が重く、加えて火事の煤を被ったものや、消火の際に放水を受けてしまったものも少なからずあったため、慎重にネガ洗浄を進め、無事にネガをお返し出来たのは今年の2月に入ってからだった。その後、4月にクロダミサト氏がリヴィエールに遊びに来て下さり、正式に展示開催が決まった。
【あの火事によって変わったのは、リヴィエールなのかもしれない。】
大変失礼ながら、リヴィエールからクロダミサト氏に「写真を撮ること、展示をすることに対する気持ちは、今回の火事が起こってから、何か変化はありましたか?」と質問を投げかけたところ、クロダミサト氏は「写真を撮ること、展示をすることに全く変わりはありません。今回のネガ洗浄の件がなかったとしても、どこかで縁があり、リヴィエールで展示することになっていたと思います。」と話してくださった。
当たり前のことであるが、あんな悲しい出来事は二度と起こってほしくない。
その前提で、もしもあの火事が起こっていなければ、リヴィエールからクロダミサト氏に声をかける勇気や、「何か助けたい」という思いを行動に移す、背中を押すきっかけはなかっただろう。
クロダミサト氏自身は、「火事によって、感謝の気持ちが強くなり、人は支え合うというよりも、人の優しさや思いやりによって、その人は形成されているんだな、と考えるようになりました。」という。
今回の展示はリヴィエールにとって、招待展示としては今年の締めくくりであると共に、それ以上にクロダミサト氏との関りを含めた特別な思いがあります。
美しい作品たちと共に、皆様にお会いできる日を楽しみにしております。
今後もリヴィエールは、招待展示を行い、ギャラリーとして写真のみならず表現活動を行う若手作家をバックアップするとともに、暗室としてフィルム写真に関するワークショップなどを積極的に開催して参ります。