吉田志穂さん 個展「Quarry / ある石の話」

吉田志穂は、これまでこうした方法でデジタルとアナログの間を行ったり来たりしながら対象を求め、制作を続けてきました。
撮影されたイメージは、等価にプリントされていきます。吉田にとって、それがデジタルかアナログか、リアルであるかヴァーチャルであるのかといったことは大した問題ではありません。出てきたイメージをプリントし、そのイメージの本質について考える時間が制作における大切なプロセスであり、そして最も重要なことはそれらのイメージが実際の空間でどう見せられるのかということなのです。
展示によってそれぞれのイメージは物質化され、ひとつの空間へと変わっていきます。その時、イメージは見るものから体感するものへと変わります。そして、そこは到達した場所であると同時に、そこからどこかにつながる一つの風景でもあります。
今回吉田が選んだのは、ある「石」を巡る物語です。「石」は人間の生命のタイムスケールで測ることはできません。悠久とした長い時間を経るものとして、半永久的に不変の存在とされてきました。また「石」は、中国ではセキと読み、日本ではコクと読む、私たちの生活の中で質量の単位を表すものでもありました。
そうした「石」が持つ時間と物量が、古今東西様々な物語を生んできました。
吉田が探してきたイメージが、語られてきた物語の断片なのか、新たな物語を作るのか、時空を超えて現れてくるものを共にご覧いただければと思います。
日時:2018年9月29日(土) 18:00 – 20:00
会場:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
■トークイベント
日時:9月29日(土) 17:00 – 18:00
会場:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
登壇者:吉田志穂 x 金澤韻(インディペンデント・キュレーター/十和田市現代美術館 学芸統括)
※事前申込制、参加費:無料
会場:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
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