深瀬昌久氏 展覧会「総天然色的遊戯」

本展覧会「総天然色的遊戯」は、KYOTOGRAPHIE 2018のメインプログラムのひとつとして開催された深瀬昌久の国内初回顧展「遊戯」を、「カラー写真」というコンセプトの下に再構築するものだ。1960年代から精力的にカラー作品を発表してきた深瀬は、1980年代より「総天然色」という視点から独自のカラーの在り方を追求した。本展で初公開されるポラロイドフィルムを印画紙の代わりに採用した「総天然色的街景」(1985年)や、モノクロプリントを着色した「私景」「ヒビ」などの晩年の作品群など、キャリア初期から晩年にかけて制作されたカラー作品群を本展で辿ることによって、これまで語られることがなかった深瀬の新たな境地を確かめることができるだろう。
- トモ・コスガ (深瀬昌久アーカイブス)
- 10月 27日(土) 16:30 〜 17:30
- 会場: FUJIFILM SQUARE
- 事前予約制(各回・先着 150 名)
9月 25日(火) 13:00 より予約申込の受付を開始
(フジフイルム スクエア館内でもお申込みができます)
深瀬昌久はこれまで代表作「鴉」や「家族」、「サスケ」といったモノクロ作品によって知られてきましたが、その一方でカラー作品も多く手がけていたことはこれまであまり知られてきませんでした。しかもそれは一般的なCプリントとしてだけでなく、撮影時の多重露光やポジフィルムの重ね合わせによるモンタージュを試みることもあれば、時にはポラロイドフィルムを印画紙代わりに用い、また晩年にはモノクロプリントに色鮮やかなドローイングや着色することによってカラー作品を作り上げる等、実に様々な実験的挑戦が実践された場面こそ、カラー写真だったのです。
深瀬はモノクロとカラーをどのように使い分けていたのか。カラーに対する拘りとは——?
深瀬昌久アーカイブスの創設者兼ディレクターであり、深瀬のキャリア40年間を416ページの大冊に編んだ作品集「MASAHISA FUKASE」の監修・本文執筆を担当したトモ・コスガがこれらの謎に迫りながら、本展「総天然色的遊戯」を解説します。
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