展覧会「建築 × 写真 ここのみに在る光」

本展では東京都写真美術館のコレクションを中心として、さまざまな建築を捉えた写真を展示します。写真が発明された頃からどのような建築が写されてきたのか、そして現代の写真家がどのように建築を捉えてきたのかを紹介します。その中には、今ではすでに存在しないものや、実際に見ることが困難なものも少なくありません。写真家が建築を撮るときに感じた光を追体験していただけることでしょう。
第1章 建築写真の歴史 ~東京都写真美術館コレクションより~
東京都写真美術館のコレクションより、建築を捉えた写真を紹介します。
写真創成期に世界中で広まったダゲレオタイプ(銀板写真)や、世界初の写真集『自然の鉛筆』(1844-46年、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット)には、建築をとらえた写真が多く見られます。 また、20世紀にかけて世界各地で都市開発が進み、アントニオ・ベアトやウジェーヌ・アジェが古き時代の街並みを残すために、そして、ベレニス・アボットやベッヒャー夫妻が新しい時代の象徴として記録するために、写真で建築をとらえました。
写真表現の変化や撮影機材・技術の進化により、空撮や仰角のアングルを取り入れるなど、建築の写真もさまざまな表現がなされていきました。記録だけではなく、モチーフとしての建築の魅力が、多くの作品になっていきました。
東京都写真美術館のコレクションを中心に、11人の写真家が建築をテーマとして撮影したさまざまな 作品を一堂に紹介します。
<11人の写真家>
渡辺義雄、石元泰博、原直久、奈良原一高、宮本隆司、北井一夫、細江英公、柴田敏雄、 二川幸夫、村井修、瀧本幹也
被写体となる建築は、アントニ・ガウディや丹下健三をはじめ、だれもが一度は耳にしたことのある著名な建築家が設計した建築から、1950年代の日本の民家や香港の九龍城砦、自然の地形を巧みに利用した中世の山岳丘上都市など、建築家の名前が残っていないものまでさまざまです。現存しない建築や実見が不可能な建築を、ダイナミックに目の当たりにできるのも、建築写真ならではの醍醐味です。それらの作品は写真家のユニークな視点によって、普段は気づきにくい側面や細部をあぶり出し、新たな魅力が表現されています。
- 開催期間:2018年11月10日(土)~2019年1月27日(日)
- 休館日:毎週月曜日(ただし、12月24日(月・振休)および1月14日(月・祝)は開館し、12月25日(火)と1月15日(火)は休館)、 年末年始12月29日(土)から1月1日(火・祝)は休館
- 料金:一般 600(480)円/学生 500(400)円/中高生・65歳以上 400(320)円 ※ ( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引(ご利用案内をご参照ください)