展覧会「写真の時間」

「写真の時間」展では、写真が持つ時間性と、それによって呼び起こされる物語的要素に焦点を当ててご紹介するものです。写真とは、一瞬の時間を切り取ったものと捉えられるかもしれません。しかしながら、例えば私たちがある写真を目にする際、そのイメージは記憶の奥深くにまで働きかけ、現在だけでなく、過去や未来、はたまた音や匂いといった視覚以外の感覚をも喚起することもあるでしょう。そのようにして、私たちは写真に時間の流れや物語を感じとるのです。 この展覧会では、写真と時間、そしてそこに横たわる物語との関係性を、「制作の時間」、「イメージの時間」、「鑑賞の時間」という3つのキーワードによって探ります。「写真の時間」を、どうぞお楽しみください。
出品作家
伊藤義彦、川内倫子、佐藤時啓、杉本博司、田口和奈、土田ヒロミ、奈良原一高、畠山直哉、濱谷 浩、緑川洋一、森山大道、米田知子、ウジェーヌ・アジェ、ロバート・キャパ、ハリー・キャラハン、ウィリアム・クライン、シンディ・シャーマン、W.ユージン・スミス、シャルル・マルヴィル、ジョナス・メカス、エドワード・ルシェをはじめ、約30名
出品点数
110点
第1章 制作の時間
写真の歴史の始まりである初期写真をはじめ、長時間露光、ブレといったカメラの特性を生かした技法を用いた作品など、制作過程において時間と深い関係性のある作品を紹介します。
第2章 イメージの時間
作家たちはときに「時間」という目には見えない対象と向き合い、時間の厚みを感じさせる作品を生み出してきました。写真ならではの豊かな表現を紹介します。
第3章 鑑賞の時間
私たちは展示室で移動したり、立ち止まったりしながら作品を鑑賞します。ここでは、鑑賞という体験の時間に焦点を当てます。鑑賞する時間とイメージの時間は交錯し、私たちの想像力を刺激します。そのような鑑賞の経験と可能性を、現代作家の作品を中心に取り上げます。
期 間:2019年8月10日(土) ~ 11月4日(月・振休)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)
料 金:一般 500円/学生 400円/中高生・65歳以上 250円
場 所:東京都写真美術館