立木義浩氏 展覧会「まばたき」

スナップ撮影に臨むとき、立木はテーマやコンセプトを考えないという。それは、頭でつくりあげたイメージに固執すると、目の前で起こっている美しいものや面白い瞬間に鈍感になってしまうからだ。身体反応を重視し、出会いに素直に驚き、そのときの衝動や直感でシャッターを切る。そして、立ち上がってきた写真を見て、「こんな画が撮れていたのか」と自分自身が驚く。テーマやコンセプトがないからこそ、目に飛び込んでくる瞬間。そうした予期せぬ瞬間との出会いが、スナップのもっとも魅力的で、面白いところだ。
今回の写真展では、立木がライカを手に街を歩き、まばたきするように無心で切り取ったスナップ・ショットを展示する。多くの写真家にとって特別な存在と言えるライカを手にしたとき、立木の目に何が映ったのか。
まばたきは一瞬の永遠。目を閉じた刹那に刻まれる一瞬が永遠になったとき、ありふれた風景が饒舌に語り出す。そして、その写真を前にしたとき、人はこの世がもっと美しく、もっと面白いと気づくに違いない。
住所: 東京都中央区銀座6-4-1 Tel. 03-6215-7070
期間: 2019年8月23日(金) - 12月4日(水)
住所: 京都市東山区祇園町南側570-120 Tel. 075-532-0320
期間: 2019年8月24日(土) - 12月4日(水)