初沢亜利氏 写真展「香港を忘れない」
2019年の香港は熱かった。700万都市での200万人のデモは想像すら不可能な規模だ。彼らが求めたのは「これまで存在してきた自由の維持」だった。「自由」こそが香港の生命線だ。実のところ、彼らは民主主義を第一義的には求めていない。ましてや独立を望むものは極めて少数だ。一連のデモを受け、北京政府の香港観は実態を見誤り、香港国家安全維持法の制定へと突き進んでしまった。
さて、日本人はこの事実にどう向き合うべきか?世界中のメディアをチェックしている若い抗議者たちは、日本の報道が最も中国寄りだ、といぶかった。香港人が期待するほど、日本人は民主主義の価値に興味がなかったようだ。4人に1人の割合で毎年日本に旅行する香港人の期待を、我々は大して意識もせず素っ気なく裏切ったことになる。淋しい話だ。
コロナ禍への突入から国家安全法の施行へ。2020年の香港を襲った事態は、あまりにせつない。
日本国政府や個々の日本人にできることは何もないのだろうか?
2019年〜2020年に香港で撮影した写真を提示しつつ、考える場を共有したい。
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2020年11月21日(土)~29日(日)
初沢亜利 中藤毅彦 倉田徹(22日19時より)オンライントークイベント配信予定
益満雄一郎 レスリー・ウォン(23日19時より)オンライントークイベント配信予定
ギャラリーニエプス 〒160-0004 東京都新宿区四谷4-10 メイプル花上2F