春木麻衣子氏 展覧会「still life」
TARO NASUでは春木麻衣子新作個展「still life」を開催いたします。
1974年茨城県生まれ。玉川大学芸術学科に在籍中、Goldsmiths College に留学。2018年文化庁新進芸術家海外研修員として渡仏。2015年第31回東川賞新人賞、2008に「六本木クロッシング2007:未来への脈動」特別賞(審査員:伊東豊雄) を受賞。
主な個展に、2017年「vision | noisiv」(TARO NASU)、2014 年「みることについての展開図」(TARO NASU)、2011 年「photographs, whatever they are」(1223現代絵画)、2007年「伍」(太宰府天満宮)、主なグループ展に2021年「DOMANI・明日展2021」(国立新美術館)、「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」(資生堂ギャラリー)、2015年「第31回写真の町東川賞受賞作家展」東川町文化ギャラリー、2014年「1974年に生まれて」(群馬県立近代美術館)、「写真の 境界」(横浜市民ギャラリーあざみ野)、など。
春木麻衣子 「スティルライフ」ーシルエットがささやくもう一つの物語ー
4年ぶりとなるTARONASUでの個展のために今回、春木麻衣子が被写体として選んだのは、ポップカルチャーのアイコンともいえるキャラクターである。日本の「カワイイ・カルチャー」の顔であるハローキティやアメリカの顔ともいうべきミッキーマウスなど約10種類のキャラクターぬいぐるみを、春木は往年の銀幕スターのスチール写真のようにスタジオで撮り下ろした。モノクロの画面のなかに映し出されるそのシルエットは、カラフルな色に彩られたいつもの明るさとはまったく異なる表情をたたえ、寂寥感や孤独、倦怠感を訴えかける。今この瞬間も、世界中で新たにイメージやストーリーが「新商品」として生成され、販売され消費され続けているこれらのキャラクター。その存在が物語るものとは何か。大量消費社会に君臨するアイコンの「影」が語りだすもうひとつの物語に耳を傾けてほしい。
フランス、パリでのロックダウンの時期を経て、日本に一時帰国した春木は、2021年の念頭から「アネケ・ヒークマン&クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓そした、あなたの視点」(2021年1月16日ー4月18日 資生堂ギャラリー)と「DOMANI 明日展2021 スペースが生まれる」(2021年1月30日ー3月7日 国立新美術館)という二つのグループ展に参加し、両会場で旧作と新作をまとめたインスタレーションを発表したばかりである。
全点新作で挑戦するTARONASUでの個展においては、自主隔離の時間に体験した自己との対話や社会と個人の関係についての考察など、「個」から発してより普遍的なものへと進んでいく春木自身の視野の拡大も感じられる作品群、約10点を一堂に展示する。
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2021年4月3日(土) - 5月15日(土)
火-土 11:00-18:00 日月祝 休
TARO NASU 〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル4F