川内倫子氏 展覧会「Under the same sky」

2020年4月、川内は自宅の近所で見つけたツバメの巣、そこで行われていたツバメの子育ての撮影を始めました。軒先に作られたツバメの巣、餌を求めて飛行する親ツバメ。親鳥の帰りを待ちわび、精一杯の口を開けるヒナ鳥。植物の芽吹き、陽光の輝き。どのような状況にあっても連綿と続く生命の営み、その純粋な力強さを、静かに見守るように切り取っていく川内の写真は、コロナ禍においてさまざまな制約を余儀なくされ、心落ち着かない日々を過ごす私たちに、一時の清涼感と勇気をもたらしてくれます。
黙々と餌を運ぶ親ツバメを見ていると、ただ子供にご飯を食べさせることが、それだけでも親の役目は十分に果たしているよね、とシンプルに思わせてもらえて、なんだか励まされるような気持ちになり、塞いだ気持ちが晴れていくようだった。 ― 川内倫子
その作品は撮下し最新刊として、世界中の著名な写真家がそれぞれの視点で「鳥」を捉えた写真集のシリーズ
「Des oiseaux」より出版されます。
本展覧会では新作「Des oiseaux」を中心に、これまでに川内が捉えた鳥の作品を厳選して構成。
4層あるMA2の空間を生かして、「はじまりのひ」「光と影」など過去のシリーズも織り交ぜて展示いたします。