今森光彦氏 展覧会「いのちめぐる水のふるさと」
人と自然が共生する「里山」。その中で生み出される豊かな営みを見つめ続けてきた写真家・今森光彦さん。滋賀・湖西地域の仰木地区の一画、琵琶湖を望む田園風景の中にアトリエを構え、四季折々に移り変わる田んぼや里山に集まる生き物を撮り続けてきました。また、蝶や鳥、植物をモチーフに、精緻で生き生きとした作品をつくる切り絵作家としても知られており、深い洞察力により、たった一本のはさみから生み出される作品は、生き物の力強さや植物の鮮やかさが表現されています。
本展では、里山に暮らす今森さんのライフスタイルの紹介をおりまぜながら、写真と切り絵で里山の魅力に迫ります。さらに、「水」をテーマに、琵琶湖を中心に滋賀を取り巻く琵琶湖水系に着目し、そこにまつわる生き物や暮らしを合わせて紹介します。自然とそこに暮らす人々がつながる美しい里山の景色と、身近な自然と関わりながら暮らす喜びや魅力をお楽しみください。
日本の原風景・里山を通して見える、人間と自然が共存してきた世界
佐川美術館から琵琶湖をはさんだ対岸、滋賀・湖西地域の仰木地区の"里山"が、今森さんの活動拠点です。まさに今森さんの代名詞ともいえる場所、里山。ここにはあらゆる生き物が生息し、そして昔ながらの人間の暮らしがあります。
そもそも里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落や二次林、農地、ため池などで構成される場所のことで、国土の約4割を占めていると言われています。里山は、長い時間をかけて人々が自然と寄り添いながら作りあげてきた場所で、もともとある自然に人工的に手を加えながら、人々とその土地の生態系とが共存してきました。どこか懐かしさを覚えたり、都会の喧騒から離れて安らぎを求める場所として想像する方も多いかもしれません。
今森さんは、里山を長年自身の目で見つめ、そこから見える真実を写真に残してきました。今森さんの目で捉えた里山が見せる四季折々の表情を、作品を通してご覧ください。
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2021年06月24日(木)~2021年09月05日(日)
9時30分~17時(最終入館は16時30分迄)
休館:毎週月曜日(祝日に当たる場合はその翌日)
〒524-0102 滋賀県守山市水保町北川2891