吉田志穂さん 展覧会「測量|山」/「砂の下の鯨」

NADiff Galleryにて、吉田志穂の個展「測量|山」/「砂の下の鯨」を開催いたします。
吉田志穂は、2014年に「第11回写真 1_WALL」グランプリを受賞し、数々のコンペティションや写真展、芸術祭に選出されている新進気鋭アーティストです。その制作方法は一貫して、インターネット上の情報、画像検索や地図、航空写真で行きたい場所を探し、興味をそそられるトピックスを見つけることから始まります。インターネットで得られる特定の場所の画面上の情報(イメージ)を撮影し、それを持って実際に赴き、事前に得た情報と現地での体験を比較するように撮影。現地で自身が撮影した画像と画面上のイメージに対して暗室作業など様々な方法で加工を重ね、イメージを作り上げていきます。
ヴァーチャルとリアルの境界が曖昧な今日の視覚世界をまなざし、風景やイメージの多層的なレイヤーによって、歴史や時間的な積層から新たな風景を生み出す吉田志穂の作品は、現在における写真の可能性を様々な方法で探究していると言えるでしょう。
この度NADiff a/p/a/r/tでは、吉田志穂の初となる作品集『測量|山』(発行:T&M Projects)の刊行を記念して展覧会を開催し、作品集の先行発売とプリント付きの特装版の販売をいたします。同時期には、東京都写真美術館で「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」が開催。生まれ育った土地の航空写真で見つけた、鯨が座礁した場所をテーマにした「砂の下の鯨」が出展されます。本展では「測量|山」と「砂の下の鯨」の代表作となる2つのシリーズを組み合わせ、再構成した展示を行います。両シリーズの関係性から吉田作品の理解が深まる一助となれば幸いです。
事前の情報で想像していたよりも、規模の小さい場所であったり、地形が変わっていたりすることがある。期待を裏切られることもあれば、想像していたよりも美しい景色を見ることもあるし、何も得られずに終わることもある。
溶岩が積み重なって山の形を成すように、様々な場所で撮影された山が小さなハードディスクの中に積み重なり、仮想の山を作り出す。
山の画像や情報の集積があふれた空間の中に、存在するはずもない山そのものの重さを感じた。存在しない地表に形を与え山の輪郭を決定する作業は、まるで測量のようだ。
―「測量|山」アーティストステートメントより
●TALK EVENT
吉田志穂の初となる作品集『測量|山』(発行:T&M Projects)について、デザインを担当したグラフィックデザイナー・小池俊起との対談を行います。
出 演 : 吉田志穂、小池俊起(グラフィックデザイナー)
進 行 : 松本知己(T&M Projects)
日 時 : 2021年11月26日[金] 19:00-20:30(開場 18:45)
会 場:NADiff a/p/a/r/t ※オンライン配信はございません
入場料:1,100円(税込)
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営業日:木、金、土、日、祝
営業時間:13-19時
11月23日(火・祝)は営業いたします。
NADiff Gallery
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4