2013年東川賞新人作家賞受賞作家の初沢 亜利氏が、第30回林忠彦賞を受賞しました!
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『東京 二〇二〇、二〇二一。』は、新型コロナウイルス感染症に見舞われた2年間の東京を捉えた写真集である。目に見えないウイルス、コロナを写真家としてどう捉えるか。作者は都下のあらゆる場所へ赴きシャッターを切った。人通りの途絶えた町並や広場、中止になったイベント、しかし災厄の中でも続いていく社会活動、日々の生業、伝統行事、そしてオリンピック。
一見淡々と撮影された1コマ1コマは、連続して見ることによって、パンデミック下の巨大都市の風景を俯瞰的に描き出している。そして同時に、その底に潜む社会不安や人間の生来持つ業といった様々ななにかを伝えてくるのである。この写真集を見るとき、我々はまさに当事者として、共感を覚えることになるのである。
この作品を通して私たちは、東京だけでなく日本人としてのあり方をもう一度見直すことになるだろう。そして今後新型コロナが終息し、その記憶も薄れた頃、当時の東京、日本の姿を赤裸々に伝える、まさに時代を映す写真となるのである。
初沢 亜利
1973年フランス・パリ生まれ。上智大学文学部社会学科卒業。第13期写真ワークショップ・コルプス修了。イイノ広尾スタジオを経て写真家としての活動を開始する。2013年東川賞新人作家賞。2016年日本写真協会新人賞。2019年さがみはら写真新人奨励賞受賞。現在、東京を拠点に活動を続けている。
最終候補作品
石川 竜一 「いのちのうちがわ」
岩波 友紀 「One last hug 命を捜す」
宇井 眞紀子 「伝え守る アイヌ三世代の物語」
兼子 裕代 「APPEARANCE」
キセキ ミチコ「A complicated city」
蔵 真墨 「香港 ひざし まなざし」
古賀 絵里子 「BELL」
田川 基成 「見果てぬ海」
本山 周平 「日本 2010-2020」
山元 彩香 「We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers」
Ryu Ika「The Second Seeing」