植田正治氏 展覧会「3つのキーワードで探る 植田正治の世界」
「風景の風は、吹き抜ける風」と語り、生涯にわたり山陰の風景と風土を愛し続けた植田は、単に「美しい」ではなく、自身だけの「風景」にこだわり続けてきた作家です。一方、植田の代表作の多くには、「人物」が登場します。特に演出写真と呼ばれる作品の数々は、植田のオリジナリティを語る上では欠かせません。人物をまるでオブジェのように扱いながら、時には、被写体のカメラに対する自然の反応を捉えたりと、「人物」においても植田の旺盛な実験精神が感じられます。さらに、砂丘のファッション写真は、植田調、植田スタイルが存分に発揮された作品群でしょう。静物写真は、被写体を作家が自由に演出できるという意味において、他に比べて作家の表現意思や個性などがストレートに感じられるジャンルです。植田自身も、初期から晩年までさまざまに取り組み、多彩なイメージを遺しています。特に、晩年のカラーのイメージの数々は、植田らしい自由な発想と表現が特徴的です。
写真には、さまざまなジャンルがあり、それぞれに独自のテクニックや経験、ノウハウ、さらには機材が必要とされることも多々あります。自身をアマチュアと語る植田は、特定のジャンルを極めたタイプの写真家ではありませんが、植田の好奇心の広がりはまさに無限です。今回の展示を通して、どのジャンルの写真にも必ず存在する「植田らしさ」を確認していただけることでしょう。
※障害のある方とその付き添いの方(1名まで)は半額となります
※いずれも証明できるものをご持参ください
〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3