展覧会「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.11 フラジャイル/ひそやかな風景」
赤松音呂(東京都生まれ)は、インスタレーションをはじめとするさまざまな手法を通じて、自然や日常生活の中でひそかに脈打つリズムを掬い上げる。2014年に岡本太郎記念現代芸術大賞に入選。翌2015年にはアルスエレクトロニカのデジタルミュージック&サウンドアート部門で最優秀賞のゴールデン・ニカを受賞。近年はミヅマ・アート・ギャラリーでの個展のほか、リンツ、グラスゴー、キーウ、パリ、光州、深圳、サンクトペテルブルクなど各地で開かれた数々の展覧会で作品を発表。現在は琵琶湖ビエンナーレ2022にも出品中。本展では、気化熱の原理によりガラスのオブジェが動き、香川特産の音の鳴る石・サヌカイトの密やかな音を響かせる《Meteon》(2019)などを発表する。
諫山元貴(1987年大分県生まれ)は、「崩壊と複製」をキーワードに、制御できない出来事により物質が変化する様子を映像やインスタレーションで表現する。2000年代中頃より京都や広島を中心に数々の展覧会に参加。近年の主な個展に『KAATアトリウム映像プロジェクトVo.19|諫山元貴』(KAAT 神奈川芸術劇場、2021)、『BankART Under 35 2021』(BankART KAIKO、神奈川、2021)、『どこかで?ゲンビ:諫山元貴「Objects #7」』(広島駅南口地下広場ショーウィンドウ、2021)、主なグループ展に『Sights and Sounds: Japan』(ユダヤ博物館、ニューヨーク、2016)、『ゲンビどこでも企画公募 2019』(広島市現代美術館)などがある。本展では、焼成前の様々な陶器製オブジェを水に浸け、崩壊する様子を映像でとらえた《objects》(2021)などを発表する。
北野謙(1968年東京都生まれ)は、人間と宇宙をめぐる物語を想像させる、人間の視覚では捉えきれないビジョンを写真により表現している。1990年代から作品を発表し、近年はMEMでの個展や「アーティスト・プロジェクト#2.02 北野謙:光を集める」(埼玉県立近代美術館、2017)、「光を集める」(東京工芸大学写大ギャラリー、2019)などの個展のほか、国内外の数々の展覧会で作品を発表。昨年は作品集『未来の他者』(Bookshop M)を発表している。本展では、シャッターを半年間開放することで、毎日の太陽の軌跡が線の集積として写し出される写真作品〈光を集める〉などを発表する。
本田健(1958年山口県生まれ)は、岩手県遠野を拠点に近隣の山野の風景を大画面にチャコールペンシル、自宅や庭の身近な風景を油彩で描き続けている。これまでに岩手県立美術館、熊本市現代美術館、ミネアポリス美術館、ドローイング・センター(ニューヨーク)といった国内外の美術館で作品を発表し、近年は『神宮の杜芸術祝祭』(2020-2021)、『新しいエコロジーとアート』(東京藝術大学大学美術館、The 5th Floor、2022)、『リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと』(平塚市美術館、2022)などで作品を発表している。本展では、本田が山歩きの際に撮影した写真に升目を引き、大画面に機械的な手法で巨大化して描きおこした《山 あるき-四月(木下闇の草木)》などを発表する。
アーティストトーク
出演:赤松音呂、諫山元貴、稲崎栄利子、北野謙、本田健
2022年10月1日(土)15:00–16:30(開場:14:45)
会場:高松市美術館1階講堂
定員:70名(事前申込不要)※無料
ギャラリートーク
学芸員|2022年10月2日(日)14:00–
ボランティアcivi|会期中の日曜、祝日 ※各日とも14:00-(ただし、10/2を除く)
会場:高松市美術館2階展示室
聴講料:無料(要観覧券)
北野謙ワークショップ「ガラスの自画像」
講師:北野謙
2022年10月1日(土)、10月2日(日)※要2日間受講
両日とも9:30–12:30
会場:高松市美術館3階講座室
定員:10名(要申込、先着順)※申込方法は公式ウェブサイトを参照
対象:小学3年生以上
受講料:3,500円(材料費含む)
記念コンサート
2022年10月1日(土)
演奏者:波多翼(ピアノ)
曲目:ベルト「鏡の中の鏡」、ケージ「ある風景の中で」、ドビュッシー「夢」ほか
会場:高松市美術館 1階エントランスホール
定員:70名程度(事前申込不要)※当日会場集合
無料
高松市美術館 2階展示室
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/
開館時間:9:30–17:00(金・土は19:00まで)入室は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/10は開館)、10/11