佐藤時啓氏 展覧会「八戸マジックランタン」

本展覧会は、6年に及ぶ制作期間を経て撮影された、八戸を舞台とした作品を中心に構成されています。「Magic Lantern」シリーズは、ろうそくやランプの光とレンズを利用して、ガラスに描かれた絵を投影する装置「マジックランタン(幻燈機)」から着想を得て制作されました。これまでの長時間露光による撮影手法を踏襲しつつも、祭りや漁港、名勝地などの風景を重ね合わせた新たな手法により、地域に潜在する歴史や文化的意識を想起させる作品群です。さらに、前方の景色を手元に映し出す光学装置の構造を用いた「Camera Lucida」シリーズ、シャッターを1時間開けたまま撮影した「An Hour Exposure」シリーズが加わります。また、カメラの原理「カメラオブスクラ」を荷台に乗せた、佐藤の制作による「リヤカーメラ」を体験するプロジェクトなども実施します。そのほか、八戸市民による、八戸の風景をテーマとした写真展も同時に開催します。
1957年山形県酒田市生まれ。美術家・写真家。1981年東京藝術大学 美術学部彫刻科卒業、1983年同大学大学院美術研究科修士課程修了。 1993年メルセデスベンツ“ アートスコープ” グランプリ受賞、2015年第65回芸術選奨文部科学大臣賞受賞、第31回東川賞国内作家賞受賞。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。
「第6回ハバナ・ビエンナーレ」(1997)「 第9回バングラデシュビエンナーレ」(1999)ほか、多くのグループ展や国際展に参加するほか、「Leslie Tonkonow Gallery」(2019)「HAINES Gallery」(2010)、「Piet Hein Eek」(2019)、「Micheko Gallery」(2021)などの画廊や、「酒田市美術館」(1999)、「シカゴ美術館」(2005)、「Frist Center for the Visual Arts」(2010)、「東京都写真美術館」(2014)、「鶴岡アートフォーラム」(2015)などの美術館にて個展開催。