藤岡亜弥氏 写真展 「BangBang」

このたび2023年4月13日(木)から5月14日(日)まで、コミュニケーションギャラリーふげん社にて、藤岡亜弥写真展「BangBang」を開催します。
藤岡亜弥は1972年広島呉市生まれ、現在広島在住の写真家です。被爆地としての歴史と現在がゆるやかに繋がる広島を捉え、木村伊兵衛写真賞と林忠彦賞をダブル受賞した『川はゆく』(赤々舎、2017)や、家族という奇妙な存在を故郷の風景とともに写した『私は眠らない』(同上、2009)などの作品で知られています。
近年では、自身初の美術館での個展となる「New Stories」(入江泰吉記念奈良市写真美術館、2022)や、「花のゆくえ」(ふげん社、2021)など、これまでのスナップ写真を、現在の自分自身と対比させつつ、新たな視座で再構成し、発表しています。
本展では、2007年から2012年まで、藤岡がニューヨークに滞在していた期間に撮影したモノクロームのスナップから、ハーフサイズカメラで撮影されたものを中心に、未発表作を含む約30点を展示いたします。
文化庁新進芸術家海外派遣制度奨学生としてニューヨークに住み始めた藤岡は、周囲の個性的な面々に翻弄されながらもその都市の求心力に惹かれ、予定していた1年が過ぎた後もそこに留まり、約5年間ものあいだその街に身を浸すことになりました。
何者でもない作者が、街中を透明人間のように彷徨いながら撮影した写真は、不安定な構図で切り取られ、時にフィルム特有の失敗がイメージに揺らぎをもたらすこともあります。それらのイメージ群は、大都会の奔流に身を委ねながら漂う個人の心情を、普遍的に捉えているのではないでしょうか。
「BangBang(バンバン)」と、子どもが銃を撃ち合う真似をして戯れるような、滑稽さと不穏さ、そして誰しもが経験するであろう、自身のモラトリアムな季節を振り返る時の切なさや痛みを伴う本作を、ぜひご覧ください。
BangBang
なにもかも勉強し直すつもりでこの街に来たはずが
勉強の方法がわからなかった
思いのほか、自由はどんよりしていて
巨大な現実の中で、やみくもに時間ばかりがあった
実体のない迷子のような私は、信じることを疑ったり、疑うことを信じたり
今思えば、おかしな妄想の海に暮らすぜいたくな時間だった
写真を撮ることは、無意味を撃つようなことだった
Bang Bang (バンバン)と
意味の重力を捨て、景色をちぎっていく
私はただこの街に深くのみ込まれたかったのに
海を見ながら海が見たいと切望するように
私は写真をしながら、写真ではないものを見つけようとしていたのかもしれない
あのとき捨てた重力を拾い集めて、見えていたはずの景色を見てみたい
藤岡亜弥
****************************
2023年4月13日(木) 〜5月14日(日)
火〜金 12:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
ナイトギャラリー(20:00まで延長)4月14日(金)、5月12日(金)
休廊:月曜日、4月29日(土)〜5月4日(木)(GW休業期間)
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12


