須田一政氏 展覧会「物草拾遺」
この度、Akio Nagasawa Gallery Ginzaは、須田一政 個展「物草拾遺」を開催致します。
本展では、1980年から2年間にわたり雑誌『日本カメラ』で連載された作品に加え、1982年開催の写真展で発表された作品を含めた須田の「物草拾遺」シリーズの全体像からヴィンテージプリントを展覧致します。会場では新刊作品集『物草拾遺』(Akio Nagasawa Publishing刊、限定600部、落款&ナンバー入)も販売致します。
この機会に是非ご高覧ください。
写真の画題を考えるというのは厄介なもので、いいタイトルなぞなかなか思い浮かぶものではない。とくに私の写真などは、日本の農民問題とか公害病とかはっきりした主題性をもつものではないから、早い話が題なんかどうだっていいのである。でも題がないのはなんだか顔がない人間みたいでへんだから無い知恵を絞って考えるわけであるが、いま私がやっているのは、人間の愛憎とか哀歓とかいった感情から極力遠去かって、人間でも物体でも、なるべく無機的なモノ自体としてつかまえて表現してみたいということなのである。そこから一流の思想や哲学が生まれてくるとも思えないが、一切の思い入れや憶測をまじえずにモノに対すると一体どういうことになるか、そのへんのところを手さぐりにさぐってみたいというのが私の考えなのだ。そのモノもなるべく日常的、ありきたり、どこにでも転がっているもののほうがいい。それも私は拾って歩くのである。
-須田一政『日本カメラ』(日本カメラ社、1980年12月号)「今月の口絵」より(一部抜粋)
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2023年5月11日(木) - 7月1日(土)
開廊時間|火〜土 11:00–19:00 (土 13:00–14:00 CLOSED)
休廊日|日・月・祝日
Akio Nagasawa Gallery Ginza
〒104-0061 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F