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片山真理氏 展覧会「CAVERN」


東川賞受賞作家 展覧会のお知らせ

GALLERY ETHERにて、 片山真理氏の展覧会が開催中です。


CAVERN

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©片山真理


以下リンクより

歴史や残った過去が人々の手で「残された」ものであるように、不都合な事実や、知られない愛は、土に埋めてしまえば無かったことにできる。その上、どうしても忘れたくないものがあっても、人間は生き続ける術として忘却という手段を持っている。だから私たちは記憶を記録や歴史、作品に託すのだろう。

ただただ、この4年間を振り返ろうと思った。それは空洞のようでもあり、大切なものだけを並べた宝箱のようでもあった。新しい仲間や新しい身体を得て、全く別の人になるすがすがしさを感じる時もあれば、ヘンゼルとグレーテルのように道に迷わぬよう置いていった白い小石を過去から拾い集め戻っていくような懐かしさも感じた。その白い小石は満月に照らされて輝いた。カリプソーがオデュッセウスと過ごした時間は洞窟の中でも明るかったに違いない。

ここを出ても変わらないのは、どんな時だって明るく眩しすぎるこの世界に、私はいつも「目の前が真っ白だ!」と感嘆し、喜び、感謝していることだ。

- 片山真理



GALLERY ETHERでは、2023年6月6日(火)から6月24日(土)の期間にて、片山真理の個展『CAVERN』を開催いたします。

本展は、近年4年間片山が制作してきた〈just one of those things〉、〈leave-taking〉、〈possession〉、新作となる〈Calypso〉、〈study for caryatid〉、ドローイングを中心として構成されます。

片山は、自身で手縫いしたオブジェや、義足などを用いて演出を施したセルフポートレイト、またそれらによるインスタレーション作品を制作してきました。とりわけ、2019年に群馬にアトリエをもってからの4年間、片山は身体と作品の関係性、そしてそれらを取り巻く社会について集中して取り組んできました。この4年間を片山は「洞窟のよう」と語ります。洞窟は、外界との接触が絶たれた空間でもあり、叙事詩『オデュッセウス』の中でカリュプソとオデュッセウスの物語の舞台となる神秘的な空間でもあります。

この洞窟という暗闇の中で、片山は手探りしながら、オブジェとの秘密の関係を作り上げてきました。2011年に始めたハイヒール・プロジェクト の再開とともに制作された〈just one of those things〉(2021)は、社会規範や「正しい身体」に対して、選択肢を増やすこと、諦めて良い自由はないことを私たちに訴えかけてきます。そして〈leave-taking〉(2021)、〈possession〉(2022)では、他者に貼られたラベルと、自分が自身に貼ってきたラベルを「手放す/所有する」という行為そのものを問い直します。ある理想的な身体を作り上げるために用いてきた片山自身の身体とオブジェの関係に問いを投げかけることは、オブジェを通して自己の内側と対話することでもありました。

そして新作〈study for caryatid〉(2023)においては、片山は〈leave-taking〉や〈possession〉において交わされたオブジェ/自己の内側の関係を、より社会の中に位置づけようと試みているのではないでしょうか。本作のタイトルにもなっている「カリアティード」とは、古代ギリシャの神殿建築で、円柱の代わりに梁を支える女性立像を指します。「カリアティード」の像は、天と地の間で懸命に立っているようにも、天と地両方からの鎖でつながれているようにも感じられます。私たちは、手放すにしても所有するにしても、この鎖と共生していかなければなりません。〈study for caryatid〉では、片山の身体は見えない鎖でつながれているのかもしれませんが、その鎖の重みではなく、鎖ともにありながらも自由であることの軽やかさを感じさせます。

カリュプソとオデュッセウスたちの物語を背景に、洞窟のような4年間で紡いできた制作活動の中で彼女自身が作り出した秘密の関係を振り返ります。

*通常義足はハイヒールを履くのに適した足の形状で作られておらず、ハイヒールも義足に耐えうるほどの耐久性を持っていない。片山は義足でハイヒールを履くために、義足の特別な足部を取り寄せ、ハイヒールを製作し、それらを履いて街を歩きステージに立ってきた。



片山真理

1987年、埼玉県生まれ、群馬県育ち。2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。自らの身体を模した手縫いのオブジェ、ペインティング、コラージュのほか、それらの作品を用いて細部まで演出を施したセルフポートレイトなど、多彩な作品を制作。

作品制作以外の主なプロジェクトとして、2011年より「ハイヒールプロジェクト」を展開。「選択の自由」を掲げ、特注の義足用ハイヒールを装着し、ステージに立つ。アーティストとしての活動に留まらず、歌手、モデル、講演、執筆など、幅広く活動している。

主な展示に 2019年「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ」(ヴェネチア、イタリア)、「Broken Heart」(White Rainbow,ロンドン,イギリス)、2017 年「無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol.14」( 東京都写真美術館、東京、日本 )、「帰途-on the way home-」( 群馬県立近代美術館、群馬、日本 )、2016 年「六本木クロッシング 2016 展:僕の身体、あなたの声」( 森美術館、東京、日本 )、2013 年「あいちトリエンナーレ 2013」(納屋橋会場、愛知、日本 )など。主な出版物に2019年「GIFT」United Vagabondsがある。

2005年群馬青年ビエンナーレ奨励賞。2019年第35回写真の町東川賞新人作家賞。2020年第45回木村伊兵衛写真賞を受賞。



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2023/06/06 2023/06/24

開廊時間:12:00 - 15:00 & 16:00 - 19:00
要予約:祝日、日、月
東京都港区西麻布 3-24-19 三王商会西麻布ビル 1F-B1F




by higashikawa_blog | 2023-06-06 11:22 | 受賞作家関連
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