村上友重さん トークイベント「村上友重、黒田大スケと学ぶ ヒロシマイトの基礎知識と応用?」
本展にて、さまざまな手法による写真作品を手がける村上友重、そして彫刻を主題とする映像を制作した黒田大スケは、それぞれが異なる領域の表現を展開しました。そうしたなか、両者はひょんなことから「ヒロシマイト」なる物質に関心を抱き、表現への糸口をつかみかけているかに見えます。このイベントでは、広島の被爆の歴史とも関連する「ヒロシマイト」について、専門家をゲストにお招きし、観客の皆様をアーティストたちの学びと空想の世界に誘います。
村上友重+黒田大スケ [広島を視る]
写真を主な表現手段とする村上友重と、近現代彫刻に関する調査をもとに映像作品を手がける黒田大スケの二人をゲストアーティストに迎え、広島との関わりのなかで生まれた作品をとおして、各々の視点から見出だされた広島をご覧いただきます。
村上は、物質が光に反応し変質する現象に関心を寄せ、カメラを用いない方法を含む、幅広い写真技術を活用します。彼女は広島で、紙に塗布した薬品を感光させる「光の採集」ともいえる行為や、光を受けて生育する植物の観察を行いました。他方、黒田大スケは、広島の平和記念公園周辺などに設置される彫刻を題材とし、その作者や制作の背景に関する調査をすすめます。こうして得られた情報をもとに、それら彫刻家達に成り代わり、ユーモラスに心情を吐露する演技を映像におさめました。2022 年1 月から2 月にかけて、当館の休館中プログラムとして広島城二の丸を会場に、文化庁、広島城との共催のもと「どこかで?ゲンビ and DOMANI『村上友重+黒田大スケ』」を開催しました。コロナ禍の感染拡大予防のため、わずか5 日間の開催に終わりましたが、本展ではその内容をもとにしながら、一部の改変や追加を加えた、アップデート版として実施します。