笹岡啓子氏 展覧会「スティル・エコー:境界の風景」

ユーラシア大陸の東端で南北に伸びる日本列島。四方を海に囲まれた日本の国土は、時代によって幾度となく変化してきました。本展は明治期に近代国民国家として船出した日本が、隣国との国境を画定し、その後東アジアに帝国主義的な侵出を行う過程で出現したボーダーランド(境界)の風景をテーマとしています。国土は自明のものではなく、曖昧で移ろいやすい。それゆえに国家と国家の谷間に落ち込み、取り残された人々や風景があったことは、忘れてはならないでしょう。
稲宮康人は東アジア全域に広がった国家神道の痕跡を丹念に追い、新田樹は大日本帝国の版図の縮小にともない変容した北辺の地・樺太(サハリン)に生きる人々に焦点を当てています。また、笹岡啓子は日本列島を複雑に取り囲む海岸線と山々の有り様、そして東日本大震災以後の被災地の風景を注視してきました。
東京都美術館の位置する上野公園は、1877年の第一回内国勧業博覧会以降、幾度となく博覧会が開催されてきた「エキシビション・パーク」とも言える場所です。かつてここには植民地への理解や移住、投資を促すパビリオンがいくつも建ち並んでいました。その意味で、小原真史の博覧会コレクションと3名の写真家の作品とは、相互に関連しています。
過去からの残響が未だ大きな上野という地で、この4名の展示がどのように響き合うのか、ご覧ください。
「スティル・エコー」展実行委員会
稲宮康人 笹岡啓子 新田樹 小原真史
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会期:2024年6月10日(月)〜6月30日(日)
開室時間:9:30〜17:30(入室は閉室の30分前まで)
休室日:6月17日(月)
夜間開館:6月14日(金)、21日(金)、28日(金)は、9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:無料
主催:「スティル・エコー」展実行委員会、
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団
会場:東京都美術館 ギャラリーA
110-0007 東京都台東区上野公園8-36


