長島有里枝氏 写真展「SWISS⇄Kobe」

アナログプリントには、印刷されたイメージとはまた違う魅力があります。書店の一角に展示されたプリントを、すぐそばに置かれた写真集と見比べたりしながら、楽しんでもらえたら嬉しいです。
ー長島有里枝
文筆家としても活動を行い、複数の視点から〈女性〉や〈家族〉について紐解いてきたアーティスト・長島有里枝が、2007年にスイス西部のエスタバイエ・ル・ラックにあったVillage Nomadeのレジデンシープログラムに参加した際に撮影された写真と、滞在期間中に綴っていた日記に加えて、スクラップブックのように、移動の際に使用した航空券や列車のチケットを共に織り交ぜて収録した作品集「SWISS」。
スイスを訪れる少し前、作者は庭づくりを熱心に行っていた亡き祖母が25年前に撮影していた花のカラー写真を収めた小さな箱を見つけ、この箱に収められた写真一枚一枚を通して、祖母が花や植物へと注いでいた眼差しを感じるとともに、時を経てもなお残る祖母の花へと向けた慈しむ心の存在に驚かされた長島氏は亡き祖母に思いを馳せながら撮影された前述の「Village Nomade」で咲く植物の姿とともに、一緒に連れ立ってきた息子や、滞在中に過ごした室内の様子を撮影しました。
本展では、その中から8点の作品に加え、現在では手に入りにくい長島氏の著作も併せてご紹介いたします。
デビュー以来常に「家族」というテーマのもとに写真を撮影してきたアーティスト長島有里枝。
その核心を静謐にひらく作品群をぜひ会場でご覧ください。
会期:2025年9月18日(木)− 10月13日(月)
11:00-18:00
火·水曜定休 / 入場無料
会場:THE BOOK END
兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302


