T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025「写真の町」東川賞受賞作家作品コレクション展

T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025にて、東川賞受賞作家作品のコレクション展が開催中です！

T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025「写真の町」東川賞受賞作家作品コレクション展

写真は、誕生以来、肉眼では捉え切れない都市の相貌を明らかにし、それぞれの時代に生きる人間と社会の様相そして時代の感覚と精神を浮かび上がらせてきました。都市にステップインした優れた写真家たちは、写真と都市の出会いから生じるイメージの化学反応を操る錬金術師なのかもしれません。そこから生成したイメージは、合わせ鏡のようにして、都市を巡る私たちの意識を照らし出します。
写真の原点となったニエプスの発明からほぼ200年を経過したいま、写真を巡る新たなメディア状況の変革は進行中です。20世紀の都市は往々にしてその複雑さゆえに「迷宮」として形容されました。現在、私たちは、都市についてのあらゆる情報を手元のデバイスで知りうるようになり、都市の迷宮のベールは剥ぎ取られ、新たなリアリティを呈し始めています。21世紀の写真家たちは、こうした変容に敏感に反応し、新たな独自の方法で「都市」にアプローチし始めているのではないでしょうか。
本展は、写真と都市のダイナミックで豊かな錬金（アルケミー）の軌跡を、東川賞コレクションに所蔵されている、ジョエル・スタンフェルド、ルイス・ボルツ、オリーボ・バルビエリ、金村修、池田葉子、鷹野隆大、原美樹子、七人の受賞作家（受賞年順）の作品を通してご覧いただきます。

The photograph has, from its beginning, revealed aspects of the city that elude the naked eye. In every age, it has brought to light aspects of human and social conditions and the sensibility and spirt unique to that time. Distinguished photographers engage with cities and, like alchemists, manipulate the chemical reactions of encounters between photography and urban environments to create images. The images generated in this way, like facing mirrors, reflect and illuminate our awareness of the city.
Nearly two hundred years have passed since Niépce’s invention marking the birth of photography. Transformations in the new media environment surrounding photography are still unfolding and the twentieth-century city, in its complexity, was often described as a labyrinth. Now that we can access every kind of information about a city on our devices, the veil of the urban labyrinth has been lifted, revealing a new reality. Photographers of the twenty-first century, attuned to these transformations, are beginning to approach the 'city' in new and distinctive ways.
This exhibition presents the dynamic and richly layered lineage and trajectory of photographic alchemy and the interplay of perspectives on the city, as seen in the works housed in the Higashikawa Award Collection of seven award-winning artists (in order of award year): Joel Sternfeld, Lewis Baltz, Olivo Barbieri, Kanemura Osamu, Ikeda Yoko, Takano Ryudai, and Hara Mikiko.

Curator

Masafumi Fukagawa｜深川 雅文

インディペンデント・キュレーター／クリティック。川崎市市民ミュージアム （以下 kcm)）在籍中、学芸員として写真、デザイン、現代美術に関する展覧会を企画。2017年からインディペンデントで展覧会企画、執筆ならびに講義を行う。代表的展覧会:「ルイス・ボルツ▶︎法則」（1992 kcm）、「バウハウス　芸術教育の革命と実験」（1994 kcm）、「現代写真の動向」（1995, 2001 kcm）、「遠・近　ベッヒャーの地平」（1996 kcm）、「バウハウスの写真」（1997 kcm）、「写真ゲーム」（2008 kcm）、「生きるアート 折元立身」（2016 kcm）、「きたれ、バウハウス」（2019 共同監修）など。著書『光のプロジェクト —写真、モダニズムを超えて—』（青弓社 2007）、『生きるアート 折元立身』(美術出版社 2024)、訳書『写真の哲学のために』（ヴィレム・フルッサー著　勁草書房 1999）、共編著『Akira Yoshimura Works: 吉村朗写真集』(大隅書店 2014）、共著『現代写真アート原論 《コンテンポラリーアートとしての写真》の進化形へ』（フィルムアート社 2019）など。大学、大学院、専門学校等で写真、メディア、デザイン、アートに関する講義を行う。美術評論家連盟会員。批評誌『写真批評』（TCP PRESS）現編集長。

東川町からのメッセージ

東川町は「国際的な交流と写真文化を通じ、世界に開かれた自然と文化が調和する活力と潤いに満ちた町づくり」を目指し、1985年6月に写真の町宣言を行って以来、40周年を迎えた本年まで「写真」を町づくりの根幹として様々な事業を展開してまいりました。
この度、T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025にて、写真の町東川賞コレクションを展示いたします。写真の町東川賞は第41回までで180名の作家に授与されており、受賞者には対象作品のなかから、東川町民にオリジナルプリントをご寄贈いただいております。本展を通し、東川町が41年間歩んできた写真の町の取り組みについて改めて知っていただく機会となれば幸いです。
最後になりますが、本展開催にあたり、ご支援ご協力賜りました歴代受賞作家の皆様、キュレーターの深川雅文様、関係者の皆様に対し心からの感謝を申し上げます。

写真文化首都 北海道「写真の町」東川町

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会期｜DATE ：2025 10.5 SUN - 10.26 SUN　12:00 - 19:00　休館日 月・火　Mon-Tue closed
入場｜FEE：無料｜FREE
会場｜VENUE：KITCHEN STUDIO SUIBA
キュレーター｜Curator：深川雅文｜Masafumi Fukagawa